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VBLについて

VBLとはVapor Barrier Linerの略。(Vapor=蒸気、Barrier=バリア、防壁、Liner=内張り)

51BQ8TQW6ML__SL500_AA240_初めて知ったのは、カナダの友人の家にあった

Allen and Mike's Really Cool Backcountry Ski Book: Traveling and Camping Skills for a Winter (Falcon Guides Backcountry Skiing)に書いてあって知りました(本著では足のVBLを紹介している)

その時は「ふぅ~ん・・・」と鼻くそほじりながら読み飛ばしたが、後年、Rock&Snow No,18(2002/Dec)に故・新井祐己氏が手袋のVBLについてちょろっと書いてまして、

以下Rock&Snow No,18 新井祐己氏の記事より抜粋

『手袋は薄手のアンダーの上に、極薄のビニール手袋をして蒸気を遮断。その上にロフトを持った防寒用手袋(フリースか毛)をはめ、ダイヤゴムのダイローブ104(防寒用ゴム手袋)をアウターにする。このVBLシステムはグリップも耐久性も保温も完璧である』

ちょうどその時手袋についていろいろと試行錯誤してたので、これは投資も少なくて済むとすぐ試してみて、それ以来ずっとこのシステムを採用してます。

現在の一般的な手袋のレイヤリングは、アンダー+インサレーショングローブ(フリースorウール)+オーバーグローブ(ゴア等)で、保温しつつ蒸れないように透湿させて素手部分をドライにキープって考えです。

これで問題無い人はVBLの必要はないでしょう。

しかし、手汗量の多い自分のような人間にはゴアがいくらいい素材でも透湿は追い付きません。それに透湿によって蒸気が外に出るということは同時に熱も逃げていますし、手から出た水分がアンダー→インサ→オーバーと通る過程で保温のためのインサレーションを濡らしていることになり、本来の保温性能を発揮できません。特に湿度の高い日本では。

その点VBLは、アンダーより上に蒸気が行くことがないし完全防水のオーバーグローブを使えるためインサレーションは常にカリッカリにドライキープ出来ます。さらに完全防水のオーバーグローブの方が透湿素材のより保温性が高いのは想像に難しくないですよね。なんぼピット掘ろうが雪洞掘ろうが濡れませんし凍りません。よってぬっくぬく。(ゴム手袋と防寒手袋はワンセットで使い防寒手袋で行動しないようにする)

温度調整もより簡単。アンダーで行動してて寒くなったら残り全部装備してしまえばいいだけ。アンダーで蒸気を遮断してるのでなんぼ手汗かいてもいいわけです。極端な話。

この記事でVBLについて初めて知った方の中にも実は、すでにVBL体験してる方たくさんいられると思います。それは何かと言いますと、スキー・スノボードブーツに『サーモインナー』ってありますよね。あれ、まんまVBL。

靴下(アンダー)+サーモインナー(蒸気遮断・防寒)+ブーツシェル(防水)。

ほらVBLでしょ。ムレムレヌクヌクでしょ?『サーモインナー』w

さらに、濡らす物を制限できるVBLは長期山行にも有効で手袋だったらアンダー以外まず濡れませんので煮炊きしてる時に火にあたってればそれなりに乾きますし、そもそもまたすぐ濡れるものを完全に乾かす必要もありませんし。

足のVBLは、極薄のネオプレーンソックス(0.5~1mm厚)を直穿きするのがポピュラーで、乾かすときは裏っ返しとくだけですぐ乾きます。もちろんブーツインナーは全く濡れませんので無臭(笑)自分のように一日行動するとソックスが生物化学兵器化する人間には特に有効ですが、最近いいソックスないんすよねぇ~・・・オカモトの「のびのびソックス」カタログ落ちしてるし、caravanの1mm渓流ソックスはサイズが合うのが見つからんし・・・・そう言うわけで足は現在ノーマルです。

ちなみに、全身VBLも可能です。100円で。やったことないですが(笑)足や全身VBLについては新井祐己氏のブログにありますのでブログ内検索してみてください。

話を手袋VBLに戻します。

こうやって書くといいこと尽くめの感がある手袋VBLですが上記のセット(アンダー+極薄ビニール手袋+防寒用手袋+防寒ゴム手袋)ですと

  1. 防寒ゴム手袋すると細かい作業がしづらい
  2. 見た目よろしくない
  3. 防寒ゴム手袋は手首絞れない、袖口に入れるとしても入れづらい

というわけで、現在はこのようなセッティング

011

一番右は、コンビニで売ってる『極細繊維の~』(名前忘れました。笑)これをアンダーに。このグローブはだいぶ前になりますが三段山クラブさんのHPに紹介されてるものと同じ物です。600円くらいだったような。山用品の薄手のアンダーグローブなら、まずなんでも大丈夫です。いろいろ試しましたが今回は安くて手に入りやすいものを紹介。

中央はTOWAの『プロ仕様ニトリル極うす手』20枚入り400円@ワークマン。この手の手袋はたくさんあり012ますが耐久性(平均するとデイツアー3~4回)と滑りの良さでニトリルが今のところベスト。もちろん、ビニール(ノンパウダーの物)や天然ゴムでもいいですが、天然ゴムは滑りが悪く上の手袋をはずす際に一緒に脱げて来てしまうので向きではなさそうです。

左がオーバーグローブにしている薄手のネオプレーングローブ1290円@ワークマン。薄さ・保温力・防水性・耐久性・雪が付着しない等の要素を考慮し防寒手袋+防寒ゴム手袋ではなくネオプレーングローブを選択しました。

VBLは保温力が強いのでその分グローブは薄手の物を使えます、よって作業性が上がります。自分は山行中の作業ほぼ全て(うんこしてけつ拭くとき以外w)オーバーグローブしたままで行えるようにしています(もちろん工夫はしてますが)予備にもうワンセットとオーバーミトンを持っていきます。

グローブは外さないに越したことはありません。

このセットの値段:アンダー600円+ニトリル極うす40円(1枚20円×2)+ネオプレーングローブ1290円=1930円

2000円以下!このネオプレーングローブの単色はたしか980円でしたのでさらに値段を抑えることも可。

経済性の高さもVBLの大きな利点の一つ。貧乏人にやさしいVBL。まさに俺向き(笑)

「蒸れるでしょ?」とよく言われます。蒸れます。ムレムレです。ただしアンダーだけ。普通の手袋レイヤリングも蒸れてます。ましてやスキーグローブなんかもう・・・そうやってじわじわと時間と共に手袋全体の性能も殺されています。気付きづらいだけで。

現在、普通の手袋レイヤリングやスキーグローブ+アンダーでやってる人はアンダーの上にニトリル等の極薄手袋加えてみたらすぐにVBL体験できます。注意点は、極薄手袋したときや全部装備した際きつい感じにならない様に。血行障害が一番まずいんで。それと海外にはVBL専用オーバーグローブもあるようです。

質問ありましたらどうぞ、分かる範囲で頑張って答えますんで。あと「俺的VBL」ある方は教えていただけたら幸いっす。

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コメント

んーー、興味深いですね。
是非うちの掲示板に載せたい情報です。
リンクして差し支えないかなぁ。

投稿: hiro | 2009年1月 7日 (水) 07時55分

こんなんでよろしければどうぞ(* ̄0 ̄)ノ

投稿: 七衛門 | 2009年1月 7日 (水) 20時33分

早速の記事ありがとうございます。オーバー手袋を脱がずに全ての作業ができるとは、とても魅力。
とりあえず、最後に書いてあるお手軽VBLを試してみます。アンダーしてるんで。

投稿: いがらし | 2009年1月 7日 (水) 21時19分

本日、O店長と八幡平偵察してまいりました。
明日にでもレポ書きます。

投稿: 七衛門 | 2009年1月 7日 (水) 22時10分

オラの仕事の必需品で、こんなことになるなんて、
それぞれの、レイヤーの意味を突き詰めれば単純なんですね。
勉強になりました!

投稿: taku-zoo | 2009年1月 8日 (木) 19時31分

質問です。もう少し教えてください。
>ゴム手袋と防寒手袋はワンセットで使い防寒手袋で行動しないようにする
とこのことですが、アンダーで行動し、冷たければ他を装着。アンダーは濡れてもOK。どうせ蒸れるから、の解釈で良いのでしょうか?
アンダー+薄手のビニール手袋の行動もありですか?
私の場合、今のシステムでも大丈夫なのですが、カメラの操作性に難があるため、でも素手だと凍るので、とても興味あります。
とりあえず薄手ビニール手袋を探しにワークマンへ行ってきます。

投稿: いがらし | 2009年1月 8日 (木) 21時05分

>アンダーは濡れてもOK。どうせ蒸れるから、の解釈で良いのでしょうか?
そのとおりです。
>アンダー+薄手のビニール手袋の行動もありですか?
原則なしです。ビニール手袋の外側を濡らすとその上にはめるグローブを濡らすことになりますから。原則と書いたのは外側を濡らす恐れがない状況や作業の場合はオーバーグローブ外しても構いません(できるだけ短時間)。ちなみにビニール手袋でシールの収納とかはベタベタふっついて作業性悪いです。あと、よくやるのがジッパーに引っ掛けて指先に穴を開けちゃったり。
デジカメやGPSの操作を厚手の手袋したまま行う時、消しゴム付きの鉛筆を5㎝位に切って消しゴム部分でボタンをペンタッチみたいに押して操作してました。鉛筆行動記録をメモる人なら兼用できますし。
これでも押しにくい場合は、焼き鳥の竹串を使いやすい長さに切って先端に滑り止めとしてシリコン系の接着剤とかを薄く塗った物を用意するって手段もあります。

投稿: 七衛門 | 2009年1月 9日 (金) 01時48分

回答ありがとうございます。なるほど~、です。
カメラの操作、色々な技があるんですね。試してみます。

投稿: いがらし | 2009年1月 9日 (金) 07時02分

はじめてお邪魔させていただきます。
私北陸で山スキーを楽しんでいるgotoです。

是非この記事のリンクをブログに記載させていただきたいのですが
よろしいでしょうか?

投稿: goto | 2013年11月 1日 (金) 19時02分

返信遅くなってすみません。ブログ放置気味でしたので(゚ー゚;
こんな記事でよければリンクどうぞ。

投稿: 七衛門 | 2013年11月28日 (木) 17時06分

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